インフォメーションではなく広告

ありがたいことに、仕事柄様々な企業の方とお話をさせてもらえる。
昨日はある企業へHPの提案のため、代理店の営業の方と一緒にヒアリングを兼ねての打合せだった。
初顔合わせだったけど、ざっくばらんに様々なお話をされる人当たりのいい営業的コミュニケーションのとても上手な方が担当者。
アリナシをはっきり言われるし、確信をついた会話には目的意識がある。
人としてとても魅力的だったし、まだまだ若い自分の話をけなすこともなく時間を与えてくれた。
「聞く」と「話す」の押し引きが見事。
HPの理解にも長けており、機能としての必要性や考え方、そして当然として利益や効果率を明確に提示される。
自分たちのライバルの話も、少し伺うようにけれど決して嫌味なく話に登場させる。
そんな担当者が強くアピールしていた言葉があった。

 必要なのは仕事を作れる若い元気な営業なわけで、
 HPのデザインなどの見た目に大きな影響はない、と断言された。

その言葉になぜかひどく納得してしまった自分がいた。
デザイナーとして、広告業の生業の中でクリエイティブを作り出す世界にいる自分として。
雑誌やメディアで紹介されている大規模プロジェクトなどとはほど遠い、地味で安っぽいけど金にしないといけない制作だ。
中小企業のイチ広告戦略には、大げさなクリエイティブや様々な広告展開でのアピールは必要ない、と。
確かに多くの企業は、まずは費用対効果を指摘されるし、広告に対する結果を必要とする。
眼に見える形で明確な数字が出る事が必須だ。
それはとても当たり前のことで、広告をする目的はそこにあるのだ。

でも、それでも自分はデザインを信じてるし、
ただ結果を生み出す装置にする気はない。
もちろん企業も人も、プラスになる結果や成果があって始めて成功と考える。
そのプラス体験をどこに定めるか。
企業イメージか、顧客満足度か、売上か、社員モチベーションか、営業利益か、ブランド力か、ネームバリューか。

企業の核にいる人であればあるほど、
会社全体のことや社員一人一人のことを意識する。
それが現実と確実を意識させる。

インフォメーションではなく広告でありたい。
人の気持ちを動かすコミュニケーションでありたい。

想像のしづらいトコではあるのはわかってる。
けどそれを追求しないとクリエイティブじゃない。

杉山恒太郎さんの言葉を常に意識していたい。
「消費者の心に何らかの価値変容を起こさないものを広告とは呼ばない」